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女性医師が医療を変える

20歳代の若年層で急激に増加している子宮頚がん
検診を受けることでの早期発見が最も重要

福中 香織(函館五稜郭病院産婦人科医長)に聞く

  • 子宮がんには子宮頚がんと子宮体がんの二種類がありますが、この二つのがんについて、それぞれの特徴や早期に発見するポイントなどをお聞きします。まず、近年は若い世代に増えている頚がんについてお聞きします。
    • 福中:「従来は30~40歳代に多く見られていた頚がんですが、最近は二〇歳代の若年層で急激に増加しています。若年層の発症率については、ここ二〇年間ほどで四倍以上になったという報告もありました」
  • 若い女性に増えている要因として、ウイルスの感染が関与しているそうですが、このウイルスと性交渉とは関連があるのでしょうか。
    • 福中:「ヒトパピローマウイルス(HPV)のことですね。ヒトパピローマウイルスには多くの種類があります。性行為感染症としてよく知られている尖圭コンジローマという性器にイボを形成する病気があります。これもHPV感染にとって起こされる病気ですが、子宮頸がんの患者の多くにHPVが検出されたことからHPVが発ガンの過程に深く関わっていると考えられています。子宮頚部細胞診正常女性でもHPV陽性率は10.7%であり、とくに30歳未満では20.6%と高い陽性率を示したという報告があります」
  • 欧米では頚がん検診の受診率は高いそうですが、がんの進行を防ぐためには検診は有効なのでしょうか。
    • 福中:「頚がんには検診がとても効果のあることがはっきりとしています。米国では過去三年間に一回以上検診を受けた18歳以上の女性は、80%以上にも達しているほどです。頚がんは子宮頚部の上皮内のみに認められる早期がんと粘膜より深くひろがっている浸潤がんがありますが、検診により、前がん病変や早期の上皮内がんが発見されることが多く、この段階では治療も子宮を温存した方法で行うことができます」
  • 頚がんの場合には、自覚症状などはありますか。
    • 福中:「頚がんは、初期の段階ではほとんど自覚できるような症状はないので、何より検診を受けることが早期発見には欠かせません。しかし性交渉した際の出血や、おりものの量が増えているときなどは注意が必要です。いつもとは症状が違うというときは、本人が一番よく気がつくはずですので、そうした際にはきちんと医療機関を受診することが大切です。また、気になる症状がなくても、一年に一度は検診を受けること、そして10代、20代前半のかたでも性交渉の経験があれば、性病検査と一緒に子宮がん検診を受けることをお勧めします」
  • 体がんは50歳代に多く発症するようですが、その理由について教えて下さい。
    • 福中:「女性は40歳くらいからホルモンのバランスが徐々に崩れてきます。女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンの二つがありバランスが崩れるとエストロゲンが持続的に子宮の内膜を刺激するため、いままで周期的に制御されていた子宮内膜が増殖し、内膜癌へと進展することがあります。これは閉経期周辺におこることが多いのです」
  • 体がんを早期に発見するためには、自覚症状を見逃さないようにすることが肝心と言われていますね。
    • 福中:「そうです、体がんは病状が進行していない早い時期に出血の異常が多く見られます。具体的には、生理がだらだらと長引くようなとき、また閉経後の出血などです。こうした不正性器出血があればすぐに専門の医療機関を受診して下さい」
  • 体がんの検診方法について教えて下さい。
    • 福中:「体がんでも頸がん同様細胞診をおこないます。この検査は子宮内腔にブラシを挿入し内膜細胞を擦過するのですが、頚部と違って目に見えない部分なので一回の検査では病巣より採取できてないことがあり、出血が続く場合には再検査が必要となります。また経膣分娩経験のないかたや閉経後のかたは子宮口が狭いためブラシが挿入できないことがあります。経膣超音波での子宮内膜所見も参考にし、がんが疑われるときには、さらに内膜を掻爬し組織を採取し病理診断をすることになります。一般的に体がん検診は四〇歳から受けることを薦めていますが、不正性器出血などの症状があるような人は30歳代からでも検診を受けるようにして下さい。子宮がんも他のがんと同じように、早期発見が最も重要なことなのです」

登録項目:掲載記事より   投稿者 :News登録担当  登録日 :2005年12月28日


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