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数多くの起訴前鑑定に検察庁から感謝状

鑑定医として刑事司法の適正な運用に多くの貢献をした功績に対して感謝状が贈られる
伊藤  匡(伊藤メンタルクリニック院長)

 昨年十二月、鑑定医として数多くの精神鑑定を実施してきた伊藤匡氏(伊藤メンタルクリニック院長、函館市駒場町)に函館地方検察庁から感謝状が贈られた。函館渡辺病院に勤務していた伊藤院長は、三年前に函館市内の住宅街の一角にメンタルクリニックを開院。 昨年までの二年間で十数件の起訴前鑑定を行ってきたが、感謝状は鑑定医として刑事司法の適正な運用に多くの貢献をした功績に対して贈られたものだ。
 精神鑑定には二種類あるが、検察官からの依頼により精神科医が行うのが「起訴前鑑定」だ。刑事手続きの流れは、逮捕された被疑者は警察によって四十八時間に限り身柄を拘束され、この間にさらなる拘束が必要と判断されれば、次に検察官へ送致される(送検)。検察官は身柄拘束が必要と判断した場合に裁判官に勾留請求をするが、起訴前の勾留期間中に被疑者の起訴、不起訴を決定しなければならない。この際、不起訴処分には犯人の性格も条件とされるが、その判断に際しては精神医学的に高度な知識が必要とされることから、精神科医がその鑑定に依頼される。
 函館市や周辺地域には約二〇数名の精神保健指定医がいるが、多忙な業務を抱えている精神科医にとって、起訴前鑑定を引き受けることは大きな負担となる。勤務医時代から精神鑑定を引き受けてきた伊藤院長にとって、二年間で十数件というのは勤務医のときよりもはるかに多い件数であるが、「精神科医としては当然のこと」という信念から、「時間の許す限り」精神鑑定を行ってきた。
 起訴前鑑定は、まず面接および心理検査が行われ、それには四時間〜五時間程度かかる。作成する鑑定書は家族歴や本人歴、身体所見や精神所見について診察した内容を記載した「現在症」、犯行時の精神状態、診断および考察と説明、鑑定主文などがあり、作成するのには丸一日が必要だ。伊藤院長は、土曜日の午後と日曜日の多くを精神鑑定のために費やしてきた。
 「勾留期限の前までに仕上げなくてはならず、徹夜することも珍しくない」そうだが、「これからも社会的貢献の一環として出来る限りは引き受けていきたい」と伊藤院長は話している。
(「メディカルはこだて」第15号(2005年3月発刊)より)

登録項目:掲載記事より   投稿者 :メディカルはこだて編集長  登録日 :2006年04月03日


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